柴犬(Shiba Inu)

柴犬
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柴犬の特徴と飼い方、育て方

もともと狩猟犬だった柴犬は、運動量が多く食欲が旺盛。飼い方の注意点は?

鳥やウサギなどの小動物を追うために使われていた猟犬であった柴犬は、運動量が多い犬種です。室内飼いが可能な犬種ですが、毎日十分にお散歩で運動させてあげることが理想的です。
猟犬や使役犬として作られた犬種は食いだめする傾向がありますが、柴犬もそうした犬種のひとつです。筋肉質な体の犬ですが、太りやすい傾向もある犬です。適切な運動と同時に、健康的な体重を維持するために、栄養バランスにも配慮した食事を選びましょう。

モコモコの被毛を健康的に維持するには?

水をはじく硬めの上毛(オーバーコート)と柔らかい下毛(アンダーコート)が密集して生えています。下毛は、初夏の換毛期にごっそりと抜け落ちます。
被毛のハリやコシ、ツヤなどの状態や密度を総称して「毛吹き」といいます。柴犬は美しい毛吹きが特徴的な犬種です。被毛は、タンパク質からできていますので、柴犬独特の毛吹きを健康的に維持するためには、材料になるタンパク質を食事から充分に摂取する必要があります。
短毛ですが、換毛期には毎日ブラッシングが必要です。

健康維持のために注意することは?

皮膚被毛の健康を維持するためには、タンパク質と脂肪が十分に必要です。ところが、柴犬は、お腹がデリケートな犬種ですので、タンパク質を多く取りすぎると未消化のタンパク質が原因で、うんちの状態が悪くなることがありあります。また、太りやすい犬種であるため、脂肪の取りすぎは肥満の原因になります。そのため、タンパク質や脂肪を控えめにしながら、皮膚被毛の健康維持に必要なアミノ酸や脂肪酸をしっかり摂取する必要があります。つまり、アミノ酸や脂肪酸のレベルで、栄養バランスを調整しなければなりません。また、未消化のタンパク質を減らすために、消化性が高いタンパク質であることも重要です。

性格

柴犬をはじめとした日本犬の性格は、「悍威(かんい)に富み良性にして素朴の感あり」と表現されます。「悍威」とは気迫と威厳、「良性」とは忠実で従順、「素朴」とは飾り気のない地味な気品と風格を意味しています。つまり勇猛でありながら飼い主には忠実で、凛(りん)とした気品を兼ね備えているのです。

原産国と歴史

柴犬は日本原産の日本犬で、その起源は縄文時代にまでさかのぼることができると言われています。もともとは、鳥やウサギなどの小動物を捕えるための猟犬でした。
チャウチャウや紀州犬の血が混ざっていると考えられており、のちに日本に輸入されたイングリッシュセッターやポインターとも交配されました。そのため、20世紀初頭には、純血の柴犬は非常に珍しくなってしまいました。
1928年ごろ、純血種を守るための対策が取られ始めました。1934年に制定された「日本犬標準」で日本犬として定められ、1936年には国の天然記念物に指定されました。第二次世界大戦中には、ほとんど消滅しかけましたが、今日では、日本で最も人気のある犬種のひとつです。

柴犬の種類(色)

被毛の色は、赤毛、黒毛、胡麻(赤毛、黒毛、白毛が混ざり合った色)白毛が認められていますが、白はあまり好ましくないとされています。最も多い毛色は赤毛で、腹部から顔の半分が白い「裏白」とのコントラストが美しい犬種です。

腹部から顔の半分が白い部分を「裏白」といいます。

毛の色は、体内で作られた色素によって決まります。その色素は、チロシンというアミノ酸から作られるのですが、そのためには、チロシンだけでなく銅も必要です。チロシンや銅が不足すると色素が十分に作られず、毛の色が薄くなってしまいます。毛の色を保つためには、柴犬に適した栄養バランスのフードを与えることが大切です。

体のサイズ

日本犬の中で、唯一の小型犬です。体高は、オスで38cm~41cm、メスで35cm~38cmです。

柴犬の年齢(ライフステージ)にあった食事の選び方

体がつくられる成長期、健康を維持する成犬期、健やかにエイジングするための高齢期、それぞれのライフステージで、必要な栄養バランスが異なります。年齢にあった栄養バランスの食事を与えましょう。

10ヵ月齢までの子犬期

●子犬期の皮膚と被毛の健康維持

柴犬は成犬になると美しい毛並みを見せる犬種です。そのためには、子犬の時期から皮膚・被毛の健康を維持してあげることが重要です。

●健康的な消化の維持

子犬の消化器系はまだ発展途上のため、食事の消化スピードは緩やかで、成犬と同じようには栄養を消化・吸収できません。そのため、腸内の細菌バランスを理想的な状態で保ち、さらに消化性が高いフードを与えることが重要です。とくに柴犬はもともと繊細な消化管を持っているため、子犬の時期からのケアが必要です。

●健康を維持し、本来の抵抗力を維持

子犬の抵抗力は未発達です。マンナンオリゴ糖を含む優れた栄養バランスで健康を維持することで、子犬が本来持っている抵抗力を維持することが出来ます。
免疫細胞の約70%は腸管に存在しています。そのため、健やかな抵抗力の発育のためには、腸の健康を維持することも重要です。

10ヵ月齢~8歳までの成犬期

●成犬期の皮膚と被毛の健康維持

美しい毛吹きや、赤毛・黒毛などと裏白のコントラストを保つために、必要なアミノ酸を十分に含むタンパク質を与えることが大切です。被毛のほとんどは「ケラチン」というタンパク質で、ケラチンは「シスチン」・「メチオニン」といったアミノ酸を多く含みます。また、被毛の色のもとになるのは「チロシン」というアミノ酸です。さらに、上毛の撥水性や毛ヅヤの維持、健康を保つことによる皮膚のバリア機能の維持には、適切な量の脂肪酸とビタミンが必要です。これが不足すると、毛がパサパサしたり、反対にべたついたりすることもあります。

●カロリーの取りすぎに注意

本来は運動量が多く筋肉質で活発な犬種のため、十分な運動をさせないと太りやすい傾向にあります。十分な運動をさせることが難しい場合には、筋肉量を維持し、体重を管理できるような食事を与えることが重要です。

●健康的な消化の維持

柴犬の成犬は繊細な消化機能をしているので、子犬の時期と同様に、健康的な消化の維持をサポートしてあげる必要があります。
消化の良い原材料と、適切な食物繊維・プロバイオティクスを配合した食事は、健康的な腸内環境を保つことで、健康的な消化を維持します。

8歳以上の中・高齢期

●中・高齢期の皮膚と被毛の健康維持

上毛の撥水性や毛ヅヤの維持に、より配慮が必要になります。そのため、必要なアミノ酸を十分に含むタンパク質と適切な量の脂肪酸が必要になります。

●高齢期に備えた認知機能の健康管理

柴犬は12歳以上の高齢期を超えると認知機能の低下が見られる個体が増えます。高齢期に備えた健康管理として8歳以降の中・高齢期から、脳の健康維持に必要な栄養を日頃から摂取しておくことが重要です。

●健康的な消化の維持

中・高齢期の柴犬は成犬に比べて、より消化機能のケアをしてあげることが必要です。加齢によって消化管の筋肉の収縮力に低下がみられるため、蠕動(ぜんどう)運動など腸管の動きが不活発になり、腸内容物の過剰な発酵が起こりやすくなります。腸内細菌バランスを整え、消化の良い原材料を使用した食事を与えることで、良好なうんちの状態を維持することが大切です。

ライフステージで変わる必要な食事によるケアのポイント

ライフステージよって、ケアのポイントがどのように変わっていくか、見てみましょう。
グラフ内で値が大きく示されている部分が、各ライフステージで特に重要なケアポイントになります。
また、どんなに健康によい食事でも食べてくれなければ意味がないため、食べやすさや美味しさも大切です。

ライフステージによるケアポイントの変化
子犬期(2ヵ月~) 成犬期(8ヵ月~) 中・高齢期(8歳~)
食べやすさ、美味しさのポイント
成長段階で、口も顎が小さいので、小型のキブル(粒)が食べやすい 小型犬でも食べやすい小さめのキブル(粒) 噛む力が弱くなった高齢犬のために、水にふやかすことができるキブル(粒)
柴犬

柴犬がよく噛んで食べることに配慮したキブル(粒)の形