ブルドッグ(Bulldog)

ブルドッグ
ブルドッグ

ブルドッグの特徴と飼い方、育て方

逞しい容姿に反してデリケートな消化器官。飼い方の注意点は?

強健な印象のブルドッグですが、実は、消化器官がデリケートという特徴があります。さらに、ブルドッグは、他の犬種と比べると自発的な運動量が少ないため、腸の働き自体も不活発になりやすい傾向があります。
繊細な消化機能を助けるために、消化性の高い食事を選んであげること、腸の運動を活発にするためにも毎日のお散歩で運動させてあげることが理想的です。

ボクサーの自発的運動量と比較すると、一日を通してほぼ平坦に運動量が少ないことが解ります。

日常的なお手入れはどうすればいい?

ブルドッグの被毛は光沢があり滑らかで密集しています。短毛ですのでコートのお手入れは比較的楽な犬種です。ただし、顔のシワに汚れがたまりやすいため、清潔に保ってあげないと、皮膚のトラブルが起きやすい犬種です。洗ってあげた後は、シワの内側もしっかり乾かしてあげましょう。汚れや湿気は、皮膚炎などの原因になる可能性もあります。
もし、皮膚に赤みが出ていたり、異臭がしてきたりしたら、皮膚炎ができている可能性があります。ただし、皮膚炎の原因は他に理由がある場合もありますので、何か異変に気付いたら、早めに動物病院で診てもらいましょう。

健康維持のために注意することは?

ブルドックなどの短頭種は、頭蓋骨と軟部組織の構造上、気管の空気の通り道が狭く、圧がかかり、荒い呼吸になってしまいがちです。これは、頭蓋骨が短くなり、鼻腔が圧縮されたような状態になり、鼻の孔や気管が若干押しつぶされたようになってしまうためです。荒い呼吸やいびきなどは、深刻な気道の病気の症状であることもありますので、一度、動物病院に相談したほうが良いでしょう。
高温多湿な日本の夏のような気候では、体温調整のために犬はパンティング(口を開けてハアハア呼吸すること)をしますが、短頭種は比較的換気が苦手なため、できる限りパンティングをしなくても良いように、飼育環境の温度、湿度管理が大切です。あまり激しい運動も向いていません。特に、気温が高い日のお散歩には注意が必要です。犬は人と違って、地面スレスレの高さを歩くため、高温になったアスファルトの熱さの影響を受けやすいです。ですから、お散歩は、早朝かアスファルトが冷えた夜にするなどの配慮をしてあげてください。また、温度が高い環境では、万一のために目を離さないようにしたほうが安全です。

ちなみに、短頭、中頭、長頭は、頭蓋骨の長さに対する幅(下図A/B)で分けられています。A/Bの数値を各カテゴリの代表的な犬種で見てみると、フレンチブルドッグ:0.87、ジャーマンシェパード:0.75、グレイハウンド:0.50になります。


短頭(ブルドッグなど):幅が広く前後に短い

中頭(ジャーマンシェパードなど):ピラミッド型

長頭(グレイハウンドなど): 前後に長い円錐型

短頭種、中頭種、長頭種の頭蓋骨の長さの違い

性格

闘犬の頃の闘争心や攻撃性は、今では全く見られません。頑固なところもありますが、温厚で飼い主さんへの忠誠心が強い性格です。

原産国と歴史

ブルドッグの祖先は、フィニキア人航海者によって英国に持ち込まれまたアジアに血筋を持つマスティフと考えられています。
ブルドッグという名前は、この犬種が作られた目的に起因しています。19世紀半頃まで、イギリスでは犬と牛を闘わせるブルバイティングという娯楽が流行っていました。ブルドッグは、そこで牛と闘うための犬として作出された犬種です。その当時は、現在のブルドッグほど、アンダーバイトではなく、皺の多い体型でもありませんでした。
1835年にそのような娯楽が禁じられると、その後、番犬や愛玩犬として改良され、現在知られるブルドッグに近づいていきました。スタンダートが定められたのは、1875年です。ブリードクラブもブリードスタンダードも設立されたのは、ブルドッグが最初です。

ブルドッグの種類(色)

ホワイト、フォーン、レッドなどの単色、ブリンドル(ベースとなる毛色に他の色が混ざった毛色)、など。タンやブラックは、好ましくないとされています。

体のサイズ

オス、メス共に体高は30cm~40cmくらいです。

ブルドッグに最適な食事の選び方

12ヵ月齢以上の成犬期、成犬~高齢犬のブルドッグに最適なフードを選ぶためのポイント

ブルドッグの犬種としての特徴を考えると、デリケートな消化管への配慮、皮膚の健康維持、関節の健康維持に配慮したフードを選ぶといいでしょう。

●デリケートな消化官への配慮

デリケートな消化管に配慮した消化性の高いフードを選んであげることが理想的です。とくにタンパク質の消化性が大切です。タンパク質は、未消化物となって腸の中に残ると腸内細菌のバランスによくない影響をもたらします。
タンパク質は原材料のまま使用するよりも、加工をすると消化性が格段に向上します。例えば、大豆そのものを食べるよりも、大豆を加工して、消化しない食物繊維などを取り除いた豆腐を食べる方が、より消化性が高くなります。ペットフードの原材料においても、肉類、大豆、小麦などの原材料から、タンパク質を取り出す加工をすると、消化率は90%以上まで向上します。

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また、異なる働きをする食物繊維をバランスよく組み合わせて摂取すると、腸内細菌のバランスを整えるサポ―トをします。

●健康的な関節の維持

骨の先端にある関節軟骨は、衝撃を和らげる役割や関節部位がなめらかに動くような役割を担っていますが、体重過多や激しい運動によって関節に負担がかかり、軟骨の摩耗や硬化が起きると、関節のスムーズな動きが損なわれ、痛みがでてくることがあります。
関節軟骨は軟骨細胞と軟骨基質からできており、軟骨基質の主成分は、コンドロイチン硫酸などのプロテオグリカンやコラーゲンです。関節の健康維持のためには、こうした関節軟骨の構成成分を適切に摂取することが理想的です。
ブルドッグは体重が重く、関節に負担がかかりやすい体型のため、関節の健康維持のためにコンドロイチン硫酸、グルコサミンを十分に含むフードが理想的です。

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●皮膚の健康維持

皮膚の健康維持のためには、シワを清潔に保つことは大切ですが、同時に皮膚の健康維持に必要なビタミンやアミノ酸を食事からとれるように配慮してあげることが大切です。
皮膚は、健康的な状態に保たれていると、病原体や有害物質が体内に入ってくるのを防いだり、体内の水分が失われるのを防いだりします。
皮膚は、「ケラチン」というタンパク質から作られており、ケラチンは、メチオニン、シスチンなどのアミノ酸からできています。メチオニンやシスチンは、食事からとりこまれたタンパク質が消化吸収されることで、合成されるアミノ酸です。消化吸収されないタンパク質は、栄養分として体内で利用されませんので、消化性の高いタンパク質を摂取することが大切です。

グラフ

フード中のタンパク質 => アミノ酸に分解され吸収 =>新たなタンパク質(ケラチン)の合成

また、皮膚のバリア機能を維持するためには、パントテン酸、イノシトール、ナイアシン、コリンなどのビタミンB群とアミノ酸の一種であるヒスチジンをバランスよく摂取できるフードを選ぶといいでしょう。

●ブルドッグという犬種にとっての最適なフード

ブルドッグという犬種が他の犬種と異なる特徴に配慮したフードを選ぶことが大切です。ブルドッグの口は、上顎より下顎が長いアンダーバイトのため、フードをとらえにくいという特徴があります。独特の形の顎でもとらえやすく、歯垢がたまらないようによく噛んで食べるキブル(粒)のフードを選んであげることが理想的です。

ブルドッグ

ブルドッグがよく噛んで食べることに配慮したキブル(粒)の形