シャム (Siamese)

シャム
シャム

シャムの特徴と飼い方、育て方

シャムの特徴である細長い、スリム体型の維持には?

シャムの最大の特徴は、スリムで直線的な体型、そのシルエットです。ブリティッシュ ショートヘアーやラグドールの丸くてふっくらとした体型やシルエットとは、対極にあります。顔は、逆三角形で、横から見ると額から鼻までまっすぐ、ボディは、細長い筒のような形です。

シャムのスリムな体型を保つには、できるだけ運動させることに加えて、食事管理が必須です。シャムは、筋肉質な体型ですので、筋肉を維持するために食事から充分にタンパク質を取ることが重要です。

活動的なシャムに適した飼育環境と飼育方法とは?

シャムはおそらく、猫種の中でももっとも社交的なブリードのひとつです。 遊び好きなため、飼育環境は、ある程度、猫が走って遊べる広さがあること、それからキャットタワーなどの、登ったり、引っかいたりできる猫家具が設置された環境が理想的です。
また、かまってほしい要求が高い猫種のため、日常的に遊んであげる時間を確保しておきましょう。

健康維持のために注意することは?

シャムは、もともとは、熱帯モンスーン気候の地域原産で、寒さに敏感なため、快適な室内飼いが適しています。寒い地域、寒暖の差がある地域では、室内の温度管理に気を付けてあげましょう。

性格

活発で社交的ですが気まぐれな性格で、行動が予測不可能です。感受性が強く、長時間独りにされることが嫌いです。愛情深い猫ですが、独占欲も強く、オーナーさんが愛情を返してくれることを期待しますので、無視されると落ち込んでしまいます。
“おしゃべり”な猫で、常にしわがれたような大きな声で鳴いています。静かな猫が好きな方には不向きですが、シャム猫が好きな方は、そのおしゃべりをたまらなく愛おしく感じるでしょう。
抱っこされたり、オーナーさんの上に乗ったりするのが好きで、オーナーさんの注意を引くために、どこまでもついて回ります。オーナーさんへの愛から、嫉妬深いのも特徴です。

原産国と歴史

この猫種の歴史は古く、1350年に書かれた当時の「シャム国」、つまり現在のタイの首都アユタヤの文書に登場します。19世紀初頭には、ドイツの博物学者パラスが「中央アジアの四肢が黒ずんだ白い猫」について記述しています。

シャム国ではこの猫は王家でのみ飼われ、王宮で大切にされていました。しかし1871年、ロンドンのクリスタルパレスで開催されたショーに生まれの不明な2頭のシャムが出陳され、1884年にはイギリス総領事オーウェン・ゴールド卿がこの「フォー」と「ミア」というペアの2頭を入手し、故郷に連れ帰ったのです。そして妹のヴァレリーが世話をし、2頭が産んだ猫は1885年のショーで優勝しました。 同年、フランスの外交官オーガスト・パヴィもバンコクから2頭を連れ帰り、シャム駐在公使ペイル氏がパリ植物園に持ち込みました。

1893年のパリにおいても、パリ国立自然史博物館のオウスタレ教授が、カルノー大統領の義理の娘が連れ帰った「シャムの猫」に関して書いたものがあります。 1889年、ハリソン・ウィアーは『猫についてのすべて(Our Cats and All About)』という本を出版し、そのなかの1章を使ってシャムについて書いています。

1892年にはGCCFがはじめてのスタンダードを制定。1901年イギリスで、はじめてのブリーダーズ・クラブ「シャム キャット クラブ」が創設されました。「王家」のシャムは、こうしてその華麗な経歴をスタートさせたのです。

1890年、はじめて米国でシャムが紹介され、1920年ごろから大変な人気を博しました。このころの初代のシャムは現在の形態とは大きく異なり、より丸くて大型で、斜視やねじれた尾、さらに緑色の眼も認められていました。そのあとの選択繁殖によって、シャムの特徴は洗練されたものになっていったのです。今日では、頭部は逆三角形でねじれのない尾は長く、斜視は排除されました。 日本では飼育されている猫の約1.2%を占め、純血種のなかでは第5位の人気です(ペットフード協会:平成22年全国犬猫飼育実態調査より)。

シャムの種類(毛色、模様)

シャムには、必ずポイント(顔、四肢、尻尾、耳にあるボディより濃い色)があります。
CFAが認める従来の色は次のとおり。

  • ●シール ポイント:ポイントはこげ茶色で、淡黄色の地に艶消しの白がのっているボディ
  • ●ブルー ポイント:灰色がかった青色のポイントと、青みを帯びた白のボディ
  • ●チョコレート ポイント:薄茶色のポイントと象牙色のボディ
  • ●ライラック ポイント:ピンクがかったベージュのポイントとオフホワイトから象牙色のボディ

かつてカラーポイント ショートヘアーとされたシャムには以下の色もある。

  • ●レッド ポイント:赤味を帯びた金色のポイントと黄色みがかったピンク色の陰のある白のボディ
  • ●クリーム ポイント:クリーム色のポイントとクリーム色の陰のある白いボディ
  • ●トーティ ポイント:べっ甲のような模様がポイントにある。シール トーティ、ブルー トーティ、チョコレート トーティなど
  • ●シール トーティ ポイント:茶色のぶちがポイントにあり、赤いブレイズがある。ボディは薄茶色
  • ●タビー ポイント:脚や尾に縞模様が入っている、あるいはマスクが縞模様であるなど
  • ●パーティカラー:マスクや脚、胴に純白のぶちがある

また、色の他に、大きく分けると、昔からいるやや丸みを帯びた顔の形やボディのヨーロピアンタイプと細長いシルエットで逆三角形のアメリカンタイプのシャムがいます。

ヨーロピアンタイプ
アメリカンタイプ

シャムに最適な食事の選び方

成猫期のシャムに最適なフードを選ぶためのポイント

シャムの猫種としての特徴を考えると、独特のスリムで筋肉質な体型を健康的に維持すること、皮膚と美しい被毛を健康的に維持すること、早食いで吐き戻しが多いことに対する工夫、に配慮されたフードを選ぶといいでしょう。

●スリムで筋肉質な体型を維持するには?

スレンダーでしなやかな体型は、発達した筋肉のおかげです。体型を維持するには、筋肉の元となるタンパク質を適切に摂取し、筋肉量を保つことが大切です。
タンパク質は、摂取されるとアミノ酸に分解され、体内に吸収されます。動物は、それらのアミノ酸を別のアミノ酸に合成したり、アミノ酸をつなぎ合わせてタンパク質を作ったりしています。摂取しても消化分解されないタンパク質は、腸で吸収されず、栄養素として利用することができませんので、消化率の高いタンパク質を選んであげると、より効果的です。

グラフ

フード中のタンパク質 => アミノ酸に分解され吸収 =>新たなタンパク質 (ケラチン)の合成

さて、消化性の高いタンパク質とは、どのようなタンパク質でしょうか。タンパク質は、原材料のまま使用するより、加工すると消化性が向上します。
豆腐の例で考えてみましょう。大豆そのものを食べるより、大豆を加工して作った豆腐を食べるほうが効率的にタンパク質を体内に取り込めます。大豆には、タンパク質の他に食物繊維など、消化吸収できない成分がたくさん含まれていますが、それらをおからとして取り除き豆腐に加工することで、消化できないものが取り除かれ、タンパク質が身体に消化吸収されやすい形になるのです。

●健康な皮膚と美しい被毛を維持するには?

健康な皮膚を維持するには、皮膚の材料となるタンパク質、皮膚のバリア機能を維持するためのビタミンB、ヒスチジン、皮膚の代謝を調整するためのビタミンA、ビオチン、オメガ3系不飽和脂肪酸(α―リノレン酸、EPA/DHA)などを適切なバランスで摂取することが大切です。

●早食い、吐き戻しを抑えるには?

シャムは、食事のスピードが速く、他の猫に比較すると吐き戻しが多いという傾向があります。丸のみができないように、大きめでかみ砕きやすいキブル(粒)のフードを選ぶなどの配慮が効果的です。

●シャムという猫種にとっての栄養バランス

シャムという猫種が他の猫種と異なる特徴に配慮するには、シャム用のフードは、下記のグラフのような点をケアできるようになっている必要があります。

グラフ

シャムという猫種にぴったり合った栄養バランスのフードを選ぶとき、大切なことは栄養素のバランスであって、素材が何であるかは、重要ではありません。シャムに最適な栄養バランスになるよう様々な素材を組み合わせたフードがオススメです。

●シャムにとっての食べやすさ、美味しさの重要性

どんなに健康によいフードでも食べてくれなければ、意味がありません。人間目線ではなく、シャムの目線から、食べやすく、食欲をそそるフードであることが大切です。 猫にとっての美味しさは、人間とは異なり、匂い、食感、タンパク質の含有比率の高さなどが重要な要素になります。

シャム

シャムの顎、口に最適なキブル(粒)の形
「キブル・グリップ」と呼ばれる方法でキブル(粒)を歯で捉え、噛んで食べるようにうながします。