ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤン
(Persian・Chinchilla・Himalayan)

ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤン
ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤン

ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤンの特徴と飼い方、育て方

ゴージャスなロングヘアーのお手入れは?

ペルシャの一番の特徴は、耳から四肢の先まで体全体を包み込む、豊かで長い密集した被毛です。ゴージャスな首の周りの毛は、ペルシャのたたずまいや動作に壮麗さや優雅さを添えています。ペルシャは、ヨーロッパでは、唯一の長毛種として認められています(メインクーンなどは“セミロング”に分類されています)。

ペルシャの毛は、すべて一本につなぐと370mにもなるそうです。その長くて密集した被毛は、毎日のブラッシングやコーミングを怠ると、すぐに絡まってしまいます。換毛期(春と夏)は、特に注意してブラッシングする必要があります。

ヘアボールケアも大切です

猫は、グルーミングで舐めとった毛の2/3を飲み込んでしまうという報告があります。被毛の量が多くて長いペルシャの場合、グルーミングでかなりの量を飲み込んでしまうことになります。飲み込んだ毛は、うんちと一緒に体外に排出されるか、吐き出されますが、排出されずに胃の中にたまったものは毛玉と呼ばれ、たまりすぎると、食欲の低下や嘔吐などを起こす可能性があります。場合によっては、生命の危険に関わることもあるので、毛がスムーズに体外に排出されるようなケアが大切です。
複数の食物繊維をバランスよく配合したフードは、毛玉の排出に効果があるとの報告がありますので、フード選びの際に考慮してみるといいでしょう。

健康維持のために注意することは?

ペルシャなどの短頭種の猫は、常に涙が出ていますので、定期的に拭いてあげないと涙やけができてしまうことがあります。
涙は、目の炎症や怪我、感染症などいろいろな理由で、分泌量が多くなります。でも短頭種の猫の場合、そうした涙の分泌が多くなるという理由ではありません。目と鼻をつなぐ鼻涙管という管があり、涙の分泌量が多くなるとこの管を通って涙が鼻に抜けるようになっています。ところが、短頭であることから、鼻涙管を通して涙が、鼻に抜けにくいため、排出が通常の猫のように行われず、排出しきれなかった涙が目頭にあふれるようになってしまうことが原因です。

性格

物静かで大人しく、のんびりじっとしていることが多いペルシャは、集合住宅で飼うのに最適です。
人なつこく穏やかで、決して興奮せず優しく愛くるしく、オーナーさんとのつながりが非常に強いのも特徴です。ほかの犬や猫、人間の子供との相性もよいといわれていますが、人見知りも強い猫種です。
ペルシャは、のどかな暮らしを好みます。孤独を苦にせず、ソフトな声を持ちますがほとんど鳴くことはありません。

原産国と歴史

ヨーロッパでは、長毛種の猫は16世紀半ばまで知られていませんでした。17世紀になり、イタリア人のピエトロ・デラ・ヴァレが当時のペルシャ(現イラン)から、現在のペルシャ猫の原型となる猫をイタリアに持ち込みました。そのあと、フランスのエクサン プロバンス州議会の相談役であったニコラス・クロード・ファブリ・デ・ペイレスクがトルコからアンゴラタイプと推測される2頭の猫を持ち帰ったところ、ヨーロッパ貴族の間で大いに珍重され、その人気は広まっていったのです。ルイ15世も、ホワイト アンゴラのペルシャ猫を飼っていたと伝えられています。

19世紀前半には、イタリアで繁殖されたあとフランスと英国に持ち込まれたペルシャが、トルコ出身のペルシャと交配されました。初の交配種は、1871年にロンドンのクリスタルパレスで発表されています。この時英国のブリーダーたちは選択繁殖プログラムも導入し、被毛改善のためにアンゴラとの異種交配を行いました。これに加え、毛色とパターンを増やす系統的育種が続けられ、現在では200以上のバラエティがあります。

このような背景から、ブラック、ホワイトとブルーのペルシャの交配から生まれた「スモーク ペルシャ」が、1872年にブライトンで発表されました。1888年には、「シルバー」という名前の猫が、初のチンチラ ペルシャとしてロンドンで発表されています。米国で「ヒマラヤン」と呼ばれているカラーポイント ペルシャは1920年ごろに登場しましたが、TICAではこれを異系猫と位置づけ、ドイツではクメールに分類しています。100年以上前に登場したタビー ペルシャは、1927年パリのキャットショーに「タイガー」として出陳されています。

また19世紀には、英国のブリーダーたちがもっとも丸く身体の大きい猫を選択繁殖しました。1930年ごろには、米国のブリーダーたちが非常に四肢の短い「ピークフェイス」(ペキニーズ犬にちなんで名づけられました)と呼ばれるタイプを繁殖しています。

ペルシャはおそらくほかのどの猫種よりも広く知られている猫種であり、「バーミヤン」と「ブリティッシュ ショートヘアー」を作るのに使われたと考えられています。

日本では飼育されている猫の約2.4%を占め、純血種のなかでは第2位の人気です(ペットフード協会:平成22年全国犬猫飼育実態調査より)。

ペルシャ・チンチラ・ヒマラヤンの種類(毛色、模様)

縞模様やタビーマーキングのないソリッドコートでは、ホワイト、ブルー、クリーム、レッド、各色のタビー、またバイカラーやキャリコ、スモークと呼ばれる毛の生え際は真っ白で、先端が一番濃い毛色など、200以上もの毛色、模様のバリエーションがあります。

チンチラ、ヒマラヤンは、ペルシャのカラーバリエーションですが、TICAでは、ヒマラヤンは、別ブリードとして登録されています。
チンチラは、目がグリーンで、シェーデッドカラーのシルバーまたはゴールド、ヒマラヤンは、目がブルーで、ポインテッドカラーです。

ペルシャに最適な食事の選び方

成猫期のペルシャに最適なフードを選ぶためのポイント

ペルシャの猫種としての特徴を考えると、長く艶やかな被毛と高密度のアンダーコートを健康的に維持すること、ヘアボールケア、ペルシャの口と顎の形に配慮した食べやすさ、に配慮したフードを選ぶといいでしょう。

●長く被毛と高密度のアンダーコートを美しく維持するには?

ある報告によると、猫が食事から摂取したタンパク質の約25~30%もが皮膚や被毛のために使われるそうです。ですから、ペルシャの長くて密集した被毛を健康的に維持するには、十分なタンパク質の摂取が欠かせません。
皮膚の角質や被毛は、ケラチンというタンパク質から作られています。ケラチンは、タンパク質に含まれている18種類のアミノ酸から生成されています。
消化分解されないタンパク質は、腸で吸収されず、栄養素として利用することができませんので、消化性が高いタンパク質を与えることが大切です。

グラフ

フード中のタンパク質 => アミノ酸に分解され吸収 =>新たなタンパク質(ケラチン)の合成

また、ソフトな被毛をしなやかに保つためには、EPAやDHAなどのオメガ3系不飽和脂肪酸とガンマリノレン酸(ルリチシャ油に含まれる)などのオメガ6系不飽和脂肪酸が役に立ちます。猫は、オメガ3系とオメガ6系の脂肪酸は体内で合成できないため、必ず食事から摂取する必要があり必須脂肪酸とよばれています。

●毛玉の排出をスムーズにするには?

適切な種類とバランスの食物繊維を含む食事は、飲み込んだ毛をうんちと一緒に排泄しやすくすることで毛玉の形成を抑え、吐きもどしの回数を減らすことに役立ちます。

食物繊維には、水に溶けるかどうか、腸内細菌によって分解されるかどうかによって複数の種類があり、それぞれ、腸内環境を改善したり、蠕動運動を起こして便通の改善を行ったりなど、異なる働きがあります。こうした働きの異なる食物繊維を複数バランスよく組み合わせることで、毛玉排出をサポートすることができます。適切なバランスで食物繊維の種類や量を調整した食事では、うんちに排出される毛玉が2倍もなったという報告があります(Dann 2004)。

毛玉の排出に効果的な2種類の食物繊維
毛玉を効果的にうんちから排出するには、1.飲み込んだ毛をからめとる、2.スムーズな排泄を促す、という2つの働きが重要です。

1.飲み込んだ毛をからめとる

水分を吸収するとネバネバする可溶性食物繊維(サイリウム)

2.排泄を促す

水分を吸収すると膨らんで蝶動運動を促す不溶性植物繊維(微細化セルロース)

●ペルシャ(チンチラ・ヒマラヤン)という猫種にとっての栄養バランス

ペルシャという猫種が他の猫種と異なる特徴に配慮するには、ペルシャ用のフードは、下記のグラフのような点をケアできるようになっている必要があります。

グラフ

ペルシャという猫種にぴったり合った栄養バランスのフードを選ぶとき、大切なことは栄養素のバランスであって、素材が何であるかは、重要ではありません。ペルシャに最適な栄養バランスになるよう様々な素材を組み合わせたフードがオススメです。

●ペルシャにとっての食べやすさ、美味しさの重要性

どんなに健康によいフードでも食べてくれなければ、意味がありません。人間目線ではなく、ペルシャの目線から、食べやすく、食欲をそそるフードであることが大切です。
猫にとっての美味しさは、人間とは異なり、匂い、食感、タンパク質の含有比率の高さなどが重要な要素になります。
また、ペルシャは、舌の裏を使ってフードを捕らえるという特徴的な食べ方をします。そのため、その特徴的な食べ方にあったキブル(粒)の形であることが食べやすさを左右します。

グラフ
ペルシャ

ペルシャの顎、口に最適なキブル(粒)の形