子供たちの夏休みが始まり、もう少しで梅雨が明けて本格的な夏がやってきます。夏になると愛犬・愛猫の食事の量が減って、食欲不振を心配する飼い主さんが多いのではないかと思います。
ところで、夏に愛犬・愛猫の食事の量が減るのは夏バテや食欲不振なのでしょうか。猫での研究で、気温が高くなると食事の量が少なくなるという報告があります。しかしこの研究では、食事の量が少なくなっても体重に変化はありませんでした。夏に食事の量が少なくなったからと言って、やせてしまうわけではないのです。これは、気温が高くなることによって体温を維持するために必要なエネルギーが少なくなり、自分で食べる量を調整しているということです。どちらかと言うと、夏になると食事の量が減るのではなく、冬になるとたくさん食べるようになるのだと考えて下さい。
そうは言っても愛犬・愛猫が自分で食べる量を調整しているのか、暑くて食べたくても食べられないのかが分からないと思いますので、定期的に体重を計ってあげて下さい。食べる量が少なくなっていても体重が変わらなければ心配ありません。あわててフードを変更したり、あれこれトッピングしたりすると、食べムラを起こしやすくなることがありますので注意して下さい。
体重が減っている場合はどれくらい減っているかが重要です。犬や猫がまったく食べない場合、1週間で2~3%体重が減ります。もしも、少しは食べているにもかかわらず、1週間で2%以上体重が減るようなら、単に食事の量が少なくなったことだけが理由ではありません。普段よりも消費エネルギーが増えていることになります。とくに運動量が増えたわけでなければ、病的な体重減少である可能性があるため、一度、動物病院で診察を受けることをおすすめします。4.0kgの体重が3.9kgになったとすると、2.5%の体重減少ですので要注意です。ただし、太っている犬・猫がまったく食べない場合は、1週間で約7%体重が減ります。療法食を使ってダイエットに挑戦しているのであれば、1週間で2%程度体重が減るのは、むしろ順調なダイエットのペースです。
愛犬・愛猫の健康状態を把握するためにも、定期的に体重を計ってあげましょう。