第6回

犬・猫の皮膚・被毛と食事の関係

前回、痒みの原因が外部からの刺激である場合、低アレルギー食よりも皮膚のコンディションやバリア機能を整えるフードを選ぶほうが良いというお話をしました。それに続いて今回は、皮膚・被毛と食事の関係についてお話します。

「皮膚・被毛は栄養状態のバロメーター」と言われるほど、犬や猫の皮膚・被毛と食事には深い関りがあります。小型犬や猫では、表皮と真皮を合わせた皮膚の重量は体重の約20%にもなります(中型犬では約15%、大型犬では約10%です)。そして、表皮は約21日で細胞が入れ替わって新しくなっています。さらに、被毛は1日に約0.3mmずつ伸びます。これは人と同じです。ところが、犬や猫は全身に被毛が生えていて、5~6kgくらいの犬や猫では、計算すると、全身でおよそ100万~150万本の被毛が生えています。これがすべて1日に0.3mm伸びれば、全部合わせると1日に300~450mも被毛が伸びています。東京タワーの高さが333mですので、犬や猫は毎日、なんと東京タワー1本分の被毛を作っていることになります。皮膚や被毛を維持するためには、たくさんのものが必要だと思いませんか?実際に、小型犬や猫では、摂取したタンパク質のおよそ30%が皮膚・被毛の維持に使われています。

それだけでなく、被毛の色素は「チロシン」というアミノ酸をもとにして、「チロシナーゼ」という酵素が働くことで作られています。この「チロシナーゼ」が働くためにはミネラルの「銅」が欠かせません。よく、「体は食べたものから作られている」と言われますが、被毛の色素も「食べたものから作られている」のです。

もしも、愛犬・愛猫の被毛がパサパサしている、被毛の色が薄い、皮膚が乾燥している、などがあるようなら、必要な栄養素が不足しているかもしれません。フードの変更を考えてみてあげましょう。

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原田 洋志(はらだ ひろし)

プロフィール

原田 洋志(はらだ ひろし)

  • ロイヤルカナン ジャポン合同会社
  • コーポレートアフェアーズ
  • サイエンティフィック コミュニケーション マネジャー
  • 獣医師
  • 名前:ポン次郎
  • 猫種:メインクーン
  • 性別:去勢オス
  • 年齢:9歳7ヵ月 (2009年3月26日生まれ)
  • 体重:9.7kg
  • 名前:チビ
  • 猫種:ミックス
  • 性別:避妊メス
  • 年齢:2歳6ヵ月 (2016年5月5日生まれ)
  • 体重:4kg