第5回

犬の痒みについて

4月になって新年度が始まり、気候も少しずつ暖かくなってきました。この時期になると皮膚を気にしたり、痒がったりするようになる愛犬もいるのではないでしょうか。

暖かくなると花粉やダニなど、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)が環境中に増えてきます。そのせいで皮膚に炎症が起きて、愛犬が皮膚を気にしたり、痒がったりすることがあります。このような時のフード選びはどうすればよいのでしょうか。

愛犬が痒がっていると低アレルギー食を選ぶ飼い主さんがいらっしゃいますが、低アレルギー食が役に立つのは「食物アレルギー」の場合だけです。低アレルギー食は食物アレルギーの原因となる成分を含まないフードであって、アレルギーを治すフードではありません。そのため、環境中のアレルゲンが原因で起こる痒みには効果がありません。

痒みの原因が食物アレルギーであることは、じつはそれほど多くありません。痒みの原因のほとんどは感染症を含む外部からの刺激です。この場合は皮膚のコンディションやバリア機能を整えるフードを選ぶほうが良い結果につながります。また猫とは違って、犬は本来グルーミングのために自分の体を舐めることはありません。もしも愛犬が自分の体を舐めていれば、皮膚に何らかの刺激を感じている可能性があります。これを放っておくと、舐めることで皮膚のバリアが壊れて、犬アトピー性皮膚炎などの原因になることもあります。バリアを整えて、外部からの刺激を受けにくい皮膚にしてあげて下さい。そうすることで本格的な皮膚病を予防することにつながります。

ただし、痒みや赤味が強いときには必ず動物病院を受診して、フード選びも獣医さんの指導にしたがって下さい。おやつや牛乳などを与えてはいけない場合も多いので、与えても良いものを確認して、ご家族全員が守るようにしましょう。

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