第11回

「給与表」の正しい考え方・使い方

ようやく涼しくなってきました。それにつれて「食欲の秋」を楽しんでいる愛犬・愛猫も多いのではないでしょうか。

愛犬・愛猫の食事について、「どれくらい食べさせればいいの?」という質問をよくいただきます。そこで今回は「給与表」の正しい考え方・使い方についてお話します。

ほとんどの飼い主さんは、ペットフードのパッケージなどに記載されている「給与表」を参考にしてフードを与える量を決めているのではないでしょうか。もちろん、給与表を参考にしていただきたいのですが、使い方には注意が必要です。それは、ほとんど場合、「給与表に書かれているとおりに与えてはいけない」からです。これから、その理由を説明します。

給与表に書かれている給与量は、あくまでも「その体重の“ちょうど平均”の犬・猫に与える量」です。みなさんの愛犬・愛猫は“ちょうど平均”でしょうか。お散歩や運動の量は“ちょうど平均”でしょうか?筋肉の量や基礎代謝は“ちょうど平均”でしょうか?おそらく、ほとんどの愛犬・愛猫は“ちょうど平均”ではないはずです。そのため、給与表どおりに与えると、多かったり少なかったりしていまいます。あるいは、現在の体重が標準よりも多い場合には、現在の体重をもとに給与表を参考にすると、あげすぎになってしまいます。

適切な給与量は、「適切な体重が維持される量」です。これは個々の愛犬・愛猫によって違います。つまり、愛犬・愛猫にとっての適切な給与量は、給与表とは無関係に決まっているのです。ですから、愛犬・愛猫にちょうど良い給与量を見つけてあげなければいけません。そこで、役に立つのが「給与表」です。まず、現在の体重を測定して、体重が適正であれば、その体重をもとに給与表を見て給与量を決めて下さい。このときの給与量は厳密に給与表どおりである必要はありません。ただし、カップで計るよりも重さを計るようにして下さい。カップで計ると、どうしてもバラツキが出てしまうので、適切な給与量を決めにくくなってしまいます。次に、1~2週間後にまた体重を測定して下さい。このときに体重に変化がなければ、その量が適切な給与量です。もしも体重が増えていれば与える量を少し減らして下さい。逆に体重が減っていれば与える量を少し増やして下さい。これを繰り返して、愛犬・愛猫にちょうど良い量を見つけてあげましょう。

肥満は健康寿命にとって大敵です。どうぞ愛犬・愛猫の体重を適切に保ってあげて下さい。

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原田 洋志(はらだ ひろし)

プロフィール

原田 洋志(はらだ ひろし)

  • ロイヤルカナン ジャポン合同会社
  • コーポレートアフェアーズ
  • サイエンティフィック コミュニケーション マネジャー
  • 獣医師
  • 名前:ポン次郎
  • 猫種:メインクーン
  • 性別:去勢オス
  • 年齢:9歳7ヵ月 (2009年3月26日生まれ)
  • 体重:9.7kg
  • 名前:チビ
  • 猫種:ミックス
  • 性別:避妊メス
  • 年齢:2歳6ヵ月 (2016年5月5日生まれ)
  • 体重:4kg